全道的に夏は雨不足だった2021年.湿地への影響も深刻でした.
そんな2021年の道内ラムサール湿地におけるニュースをふりかえります.
※現在各地の特派員より記事を募集していますが,集まったものから公開しています.
● 風蓮湖・温根沼でオオハクチョウ個体数調査を実施。4年ぶりに2,000羽超え。
春国岱ネイチャーセンターは、毎年、10月~11月に4回、風蓮湖・温根沼でオオハクチョウ個体数を実施しています。4回の調査の中で最も多かったのは、11/14の2,027羽(成鳥1,794羽、幼鳥233羽)でした。2,000羽超えは2017年以来です。2021年の秋の渡来状況は、全体的に渡来が早く、また渡来数が多い傾向でした。 記者:稲葉一将(根室市春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンター)
● 6月、春国岱にホウロクシギが滞在
6月、春国岱の先端部の干潟や風蓮湖でホウロクシギがたびたび観察されました。6/14には先端部の干潟で5羽が採食している様子が観察されました。春国岱では、主に4~5月と7~8月に渡来する旅鳥ですが、年によっては子育ての時期に見られることがあります。ホウロクシギは、気象条件によって渡りを途中でやめて繁殖地に渡っていかないことがあるようです。もしかしたら、ホウロクシギたちは、渡りを途中でやめて春国岱に滞在していたのかもしれません。 記者:稲葉一将(根室市春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンター)
● 春国岱ネイチャーセンターの床がリニューアル!
春国岱を見おろす高台に建つネイチャーセンターは、今年、築26年め。少々くたびれて来ていたネイチャーセンターの床が、新しくなりました。床の貼替え工事は、ピー・シー・ディー・インベストメントリミテッドによる「北海道におけるフライウェイサイトの保全活動支援」を受けて、このほど根室市が実施。11月末に公開されました。館内がぐっと明るい雰囲気になり、常連の来館者さんもうれしそうです。 記者:古南幸弘(根室市春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンター)
● 濤沸湖にもハクガンの群れ!
5月3、濤沸湖水鳥・湿地センターの展望室から、遠くに白い鳥の大群が見えました。オオハクチョウより小さく、ユリカモメより大きいし、初列風切りが黒いような・・・。まさかハクガン?濤沸湖と周辺では少数が見られる程度なのですが、望遠鏡で見ると間違いなくハクガンでした。3日~4日は95~96羽、5日はなんと約220羽をカウントしました。記者:秋山恵美子(濤沸湖水鳥・湿地センター)
● 濤沸湖 コハクチョウ「C12」が飛来
10月4日、コハクチョウ6羽が飛来しました。濤沸湖はオオハクチョウが飛来する湖で、コハクチョウはわずかに見られる程度なのですが、そのうちの1羽が赤C12の標識をつけていました。標識されたのはロシアのチャウン湾だそうです。因みにオオハクチョウは10月6日と昨年に続きコハクチョウより遅い飛来でした。画像提供:組野一弘 記者:工藤茜(濤沸湖水鳥・湿地センター)
● 今秋に豊富町で標識された「429」が鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリに飛来
12月下旬時点で、サンクチュアリ給餌場へのタンチョウの飛来数は200羽程にまで増えてきました。道内各地から標識個体も移動し、給餌場にぞくぞくと集まっています。12月11日、15日には、今秋に道北の豊富町で標識された「429」が飛来しました。はたして今冬はどこで越冬するのでしょうか。単独のオスのようなので、相手が見つかるといいですね。
記者:田島 奏一朗(鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ)
● 大沼ネイチャーセンター来年夏オープン!?
北海道に13あるラムサール条約登録湿地のなかで拠点となる場所が無かった大沼ですが、昨年まで一般財団法人自然公園財団の事務所となっていた自然ふれあいセンターを改修し、「七飯町大沼ネイチャーセンター」としてリニューアルすることが決定しました!センター周辺の景観整備から始まり、展示内容の検討や内装の整備などやることは山積みですが、ラムサール条約登録10年となる2022年夏ごろのオープンを目指し日々奮闘しております。記者:吉田浩平(大沼ラムサール協議会)
● 夢屋休業!?
大沼に来たら大沼団子とならんで食べたくなるのがB級グルメ「あんかけ焼きそば」じゃないでしょうか。そんな大沼グルメの1つあんかけ焼きそばを提供していたキッチンさわで夢屋様が10月末をもって休業となってしまいました。ヘビーユーザーであった吉田の血となり骨となりおなか周りとなってきただけあって夢屋ロスが続いております。あんかけ焼きそばは大沼の他店舗様でも提供しておりますし、その他にも美味しい食事ができる場所も大沼にはありますので、ぜひ大沼に足を運んでください! 記者:吉田浩平(大沼ラムサール協議会)
● 雨竜沼湿原 ヒグマ出没 南暑寒岳登山道閉鎖 7/13-8/31
俺様はヒグマ、湿原を餌場として人間と時間的な棲み分けで共存しているキムンカムイの2頭のヒグマ「恵子と寒太」とは違うウェンカムイの「WANTED」なのだ。お陰で展望台を含む南暑寒岳登山道は7/13-8/31まで閉鎖でした。長期間閉鎖は初の出来事です。展望台付近を歩く俺の後ろ姿、ヒグマの尻尾って見たことあるかい、尻尾が可愛い? 凛々しいんだよ。 撮影:自動撮影カメラ(雨竜町) 記者:佐々木純一(雨竜沼湿原を愛する会)
● 雨竜沼湿原 晩秋草もみじ オカリナコンサート
10月3日(日)、薄晴れ無風の散策日和に恵まれました。雨竜沼湿原を愛する会の恒例行事の、今年の雨竜沼湿原に感謝する「晩秋の草もみじ、散策と清掃登山の1日」を楽しみました。ゴミ拾いの最後は会員の古舘さん(中央)が主催するオカリナ教室の3人による「湿原コンサート」でした。湿原に流れるオカリナの音色に疲れも癒され、アンコールは「コンドルは飛んでいく」。飛翔するコンドルの情景が浮かび、have a good time のひと時でした。記者:佐々木純一(雨竜沼湿原を愛する会)
● 宮島沼 ハクガンが群れで飛来!
春には宮島沼にハクガンが群れで飛来.ハクガンは一時は国内への飛来が途絶えていましたが,近年は増加傾向.道内では十勝方面に多く飛来していますが,石狩川流域にもまとまった群れが飛来するようになりました. 記者:牛山克巳(宮島沼水鳥・湿地センター)
● ガン・ハクチョウの標識情報を集めるサイトがスタート!
首や足に標識を付けたガンやハクチョウをみかけたことはないでしょうか?そんな標識情報を集めるサイトを立ち上げました.宮島沼近くで見つけた赤C22のコハクチョウ.なんと山形県と千葉県で冬を過ごしたことがわかりました.標識個体をみかけたらぜひご報告ください! 記者:牛山克巳(宮島沼水鳥・湿地センター)
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